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国際学会報告

第49回欧州肝臓学会(EASL 2014)参加報告

今泉 博道

平成26年4月9日~13日にEASLに参加いたしました。今年度はイギリスでの開催でありました。参加報告いたします。

発表

私の発表は学会3日目のポスター展示での発表であり,発表内容は睡眠とNAFLDとの関係性の発表でありました。個人的に初の海外での学会発表である以前に,初の海外旅行でもありました。

普段より正確に日本語を話すことも怪しい自分が,英国での発表が出来るのか,質問に答えることができるのか,非常に不安と緊張がありましたが,同行いただきました高橋敦史先生の強力なバックアップがあり,無事にポスター展示することができました。数人の方に質問いただきましたが,なんとかジェスチャーも加え質問を返すことが出来ました。個人的に不器用ながらも質問に返すことができたことは非常に嬉しかったです。

ウイルス性肝炎の発表と比べると脂肪肝炎に関するポスターは少なかったですが,私の発表と同様なテーマの発表も他国からあり,私のポスターを写真で撮る方もおり,注目度は高かったのではないかと考えます。海外での発表自体名誉であり,貴重な経験でありました。

内容

学会自体の参加は2日目からでありました。数多くの発表がありましたが,発表の数や注目度についてはやはりウイルス性肝炎の治療でありました。AIH,PBC,脂肪肝の発表数はウイルス性肝炎関係の発表よりは少なかったですが,多くの発表があり,それぞれ重要であることを認識しました。

私は英語を読むのが苦手であり(現在勉強中),また,知識もお世辞にも豊富ではないため,NAFLD関連のポスターを中心に閲覧しました。

特に私が気になったのは,NAFLDへ酸化ストレスが影響し進行することにより,肝細胞障害で出現するサイトケラチン18関連の発表が数演題あったことです。以前よりサイトケラチン18が非侵襲的な診断ツールであり,サイトケラチン18の量で進行度に影響されるとの報告があります。国際学会であるEASLでもサイトケラチン18は注目されており,今後,NAFLDの重要な診断ツールとなる可能性があると考えます。

また,今回の学会ではNAFLD関連の二つのEarly Morning Workshopsへも参加し勉強させていただきました。参加は学会前の事前登録でありました。情報量が非常に多く,自分にとっては消化不良な部分ありましたが,学会前に読んだ抄録がたまたま発表の一部に紹介された時は,日頃の抄録による情報収集は非常に重要であり,価値のあるものであると痛感いたしました。

イギリス

今回は初の海外進出であり,イギリスについてはテレビや漫画の中の話であり,イギリスに着いてからもあまり海外へ来た感じを実感できませんでした。しかし,空港からホテルまでの電車から見る英国の町並みを見て徐々に海外にいるのだなと実感していきました。

学会の合間でありましたが,現地を散策することもできました。プロレス技の名前で知っていたタワーブリッジ,ビックベンの壮大さに感動しました。なによりも英国美術館の巨大さには驚きました。展示品が非常に多くすべて見ることはできませんでしたので,再度訪れたいと思います。

まとめ

今回のEASLに参加することができ,発表するということ,また,国際的な大きな学会に参加できたということは私にとって非常に有意義な経験であり,今後の糧として奮闘していきたい気持ちの反面,自分の勉強不足を含め足りない部分があると感じました。
足りないと感じた部分は今後の宿題とし,精進していきたいと考えております。今後,論文掲載なども含め,なんらかの形で同門の先生方に報告できればと思っております。

今回の発表において指導いただきました大平教授をはじめ,学会中業務を負担していただきました先生方,スタッフの皆さんに深謝申し上げます。
また,最も今回の発表についてご教授いただき,学会同行いただきました高橋敦史先生には感謝してもしきれません。大変ありがとうございました。この場をお借りして御礼申しあげます。

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