公立大学法人 福島県立医科大学医学部 消化器内科学講座

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国際学会報告

SGI 2013に参加して

紺野 直紀

2013年10月25、26日に韓国ソウルで開催された、第7回 the Society of Gastrointestinal Intervention(SGI)に参加してまいりましたので、ご報告いたします。

本学会には、私と引地拓人先生、渡辺晃先生、藁谷雄一先生の4人で参加してまいりました。

今回の私たちの発表はいずれもポスター発表で、引地先生が「Efficacy and safety of endoscopic submucosal dissection by trainees using sodium carboxymethylcellulose as a submucosal injection for gastric cancer」を、渡辺晃先生が「Efficacy and safety of endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration for colonic subepithelial lesions」を、藁谷先生が、「Laparoscopy endoscopy cooperative surgery for gastric submucosal tumors」を、紺野が「Usefulness of contrast-enhanced endoscopic ultrasonography for assessing mural nodules in intraductal papillary mucinous neoplasms」をそれぞれ発表いたしました。

   

私自身、海外の学会で発表する事は初めてのことでしたので、不安と緊張の連続でした。ポスター会場は、学会会場内の比較的限られたエリアでしたが、地元の韓国をはじめ、近隣の日本、中国、台湾、その他インド、シンガポール、アメリカ等多くの国と地域から発表されていました。

今回の学会ではポスター発表のためのまとまった時間はありませんでしたが、自分のポスターの前で立ち止まってくださった先生もいて、改めて参加してよかったと思いました。

発表だけでなく、海外の学会に参加する事自体も、私にとって初めての経験でした。会場の規模自体は、日本の総会と比べると小規模ではありましたが、発表内容は内視鏡治療に関する世界の最先端のものばかりで、大変勉強になりました。

また、当講座の同門でいらっしゃる会津医療センターの入澤篤志先生が、Local Treatment of Unresectable Pancreatic Cancerというセッションで、「EUS-guided immunology」という演題で口演をされておりました。

世界中の内視鏡医が集まる学会で発表されている姿を拝見して、改めて偉大さを感じました。

今回の学会ではライブデモンストレーションも行われました。ライブデモンストレーションとは、学会場と各施設を中継でつないで、リアルタイムに内視鏡の治療や検査を行っていくもので、日本でもESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を中心に広く行われています。

その分野の御高名な先生が、解説を交えながら手技を進めていきますので、完成されたスライドによるプレゼンテーションとはまた違った面で勉強になります。当初の予定通りに手技が進まないこともしばしばありますが、そこからのリカバリーも含め我々若手には大変勉強になります。

今回の学会では、超音波内視鏡関連の手技(造影EUS等)、大腸ESD、経肛門門的便置換術等のデモンストレーションがあり、いずれも大変勉強になりました。

学会の合間にはソウルの街並みを堪能する事が出来ました。ソウル市は人口約1000万人の巨大都市で、昼夜を問わず多くの人で賑わっていました。学会終了日の夜にはソウルの繁華街の1つである明洞(ミョンドン)で、4人で本場の焼き肉を堪能する事が出来ました。

学会に参加して多くの知識を習得するだけでなく、学会が行われている都市を肌で感じて歴史や文化を学ぶことができるのも、海外での学会に参加するメリットの1つだと思います。

以上、SGI 2013に参加してみての感想を記載させていただきました。たった2日間の学会参加でしたが、そこで得られた経験は、はかりしれないものとなりました。
研修医や医学生の皆さんは、医学や医療の奥深さに重々気づいているとは思いますが、自分たちのいる世界よりもさらに広い世界があることを認識できれば、さらにやりがいが出てくると思います。
皆さんもぜひ、海外の学会に参加してみてください。

最後に、今回の学会参加にあたり、機会を与えてくださった大平先生、ご指導賜りました引地先生はじめ、多くの先生方、スタッフの方々に深く感謝を申し上げます。

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