公立大学法人 福島県立医科大学医学部 消化器内科学講座

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アクセプト論文2018年

  • Propofol is a more effective and safer sedative agent than midazolam in endoscopic injection sclerotherapy for esophageal varices in patients with liver cirrhosis : a randomized controlled trial
    著者 渡辺 晃
    掲載誌 Fukushima J. Med. Sci., Vol. 64, No. 3, 2018
    コメント 食道静脈瘤の患者の多くは基礎疾患に肝硬変を有します。肝硬変患者の内視鏡時の鎮静に関してミダゾラムは鎮静関連の有害事象を増加させるが, プロポフォールは増加させないと報告されています。
    また肝硬変患者特有の鎮静の問題点として潜在性肝性脳症の悪化があげられ, ミダゾラムは潜在性肝性脳症を悪化させるがプロポフォールは悪化させないとされています。
    しかしこれらの肝硬変の鎮静に関する論文は手技時間の短い通常観察の内視鏡やEVLのみでした。そこで今回我々は肝硬変患者の食道静脈瘤のEISに関して鎮静法をミダゾラムとプロポフォールの2群にわけた前向き無作為ランダム化比較試験を行いました.
    結果は, 潜在性肝性脳症はEIS2時間後には両群で悪化しました. しかしEIS中の患者の体動回数はプロポフォール群で少なく, 術者の満足度もプロポフォール群で高い結果であり, EISの鎮静としてプロポフォールが有用である可能性が示唆されました.
  • Successful Endoscopic Closure Using Polyglycolic Acid Sheets with Fibrin Glue for Nonhealing Duodenal Ulcer with Perforation after Proton Beam Therapy of Liver Tumor
    著者 渡辺 晃
    掲載誌 Case Reports in Gastroenterology  2018;12:679–685
    コメント PGAシート(ネオベール)は外科手術領域で用いられていましたが、近年、消化器内視鏡の領域でもESD後潰瘍の出血や狭窄予防、潰瘍穿孔などに対して用いられた報告があります。
    今回我々は肝腫瘍に対する陽子線治療後にできた十二指腸潰瘍穿孔の一例に対してPGAシートの充填被覆が極めて有用であった一例を経験しました。
    陽子線治療の晩期有害事象として十二指腸穿孔を来した症例で、大網充填術が施行されましたが閉鎖に至らなかった難治の症例でしたが、PGAシートを穿孔部に内視鏡的に充填したところ短期間で穿孔部に肉芽が多い穿孔部の閉鎖が得られました。
    内視鏡的に穿孔閉鎖の経過も経時的に追うことができ非常に貴重な症例と思われ報告しました。
  • Push vs pull method for endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration of pancreatic head lesions: Propensity score matching analysis.
    著者 杉本 充
    掲載誌 World J Gastroenterol 2018, 24(27): 3006-3012 [PMID: 30038467 PMCID: PMC6054953 DOI: 10.3748/wjg.v24.i27.3006]
    コメント 普段より膵頭部腫瘍に対して、スコープをpullのポジション、pushのポジションで何気なくEUS-FNAを行っておりましたが、どちらが有用であるのか改めて検討しました。
    初めてpropensity scoreを使用しましたが、スムーズに結論を導きだせる結果となりました。
  • Pancreatic stents for the prevention of post-endoscopic retrograde cholangiopancreatography pancreatitis should be inserted up to the pancreatic body or tail.
    著者 杉本 充
    掲載誌 World J Gastroenterol 2018, 24(22): 2392-2399 [PMID: 29904246 PMCID: PMC6000294 DOI: 10.3748/wjg.v24.i22.2392]
    コメント 膵管ステントがERCP後膵炎予防に有効であることは、既に多数の前向き試験で明らかとなっております。しかし、使用する膵管ステントの長さに関しては不明のままでした。
    今回、膵管ステントを体尾部まで挿入することが更なる膵炎予防になるのではと考え検討しました。思ったより体尾部まで膵管ステントを挿入している症例が少ないことがあり、さんざんRejectされましたが、なんとか掲載まで漕ぎつけました。
  • The efficacy of serum cell death biomarkers for diagnosing biliary tract cancer.
    著者 杉本 充
    掲載誌 Sci Rep. 2018, 8(1): 16997 [PMID: 30451962 DOI: 10.1038/s41598-018-35278-7]
    コメント 当科林先生がPBCにおけるcell death biomarkerの有用性を報告しており、癌ではもっと上昇するのではないかと考え測定しました。結果的に血清cell death biomarkerは診断に有用であることが分かりました。
  • Association between sarcopenia and osteoporosis in chronic liver disease.
    著者 林 学
    掲載誌 Hepatol Res. 2018 Oct;48(11):893-904. doi: 10.1111/hepr.13192. Epub 2018 Jun 1
    コメント 様々な基礎疾患においてサルコペニアは骨粗鬆症と関連していますが、慢性肝疾患におけるその関連は明らかではありません。本検討ではサルコペニア、そして肝硬変は骨粗鬆症の危険因子であり、また肝硬変は大腿骨よりも腰椎の骨密度低下へ影響する傾向が認められました。慢性肝疾患、特に肝硬変患者では骨密度測定が必要であると考えられました。
  • Hepatitis B Virus Reactivation in a Patient with Nonalcoholic Steatohepatitis 41 Months after Rituximab-containing Chemotherapy: A Case Report.
    著者 林 学
    掲載誌 Intern Med. 2018 Sep 12. doi: 10.2169/internalmedicine.1587-18. [Epub ahead of print]
    コメント 脂肪肝のB型肝炎への影響が知られていますが、HBV再活性化との関連は不明です。本症例はリツキシマブ投与41ヶ月後のHBV再活性化例であり、HBV再活性化にNASHの活動性やstatinによる治療が関連することを示唆していました。
  • Dysbiosis of oral microbiota and its association with salivary immunological biomarkers in autoimmune liver disease
    自己免疫性肝疾患における口腔内細菌叢異常と唾液の免疫学的バイオマーカーの関連
    著者 阿部 和道
    掲載誌 PLoS One. 2018 Jul 3;13(7):e0198757. Impact Factor: 2.766
    コメント 【目的】今回, 自己免疫性肝炎(AIH)と原発性胆汁性胆管炎(PBC)患者の唾液と便を用いて口腔内細菌叢と腸内細菌叢を評価し, 両者の相関および唾液の免疫学的バイオマーカーとの関連を検討した
    【方法】対象は,当科および関連病院で診断されたAIH17例, PBC39例. 健常者(HC)15例を対照とし, T-RFLP(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism)解析を用いて, 口腔内および腸内細菌叢を比較検討した. さらに, 唾液を用いて Bio-Plex(BIO RAD)で17種類のサイトカイン・ケモカイン, ELISAで分泌型IgA, リゾチームを測定し, 細菌叢との関連を検討した
    【成績】口腔内細菌叢は, クラスター分析によりAIH, PBCがHCと異なっており, 有意にVeillonellaが増加していた. 腸内細菌叢は, AIH, PBCはHCと比較して目レベルでLactobacillalesが有意に増加し, 属レベルでClostridium subcluster XIVaが有意に低下していた. AIHにおいて, 口腔内細菌のVeillonellaは腸内細菌のLactobacillalesと強い正の相関を示した. PBCにおいて, 口腔内細菌のVeillonellaは腸内細菌のBifidobacteriumと負の相関を示した. また, PBCの肝機能異常群はClostridium cluster IV, Clostridium subcluster XIVaが有意に低下していた. 唾液の免疫学的バイオマーカーは, AIH, PBCにおいてHCと比較して有意にIL-1β, IL-8, IFN-γ, TNF-α, 分泌型IgAが上昇し, さらに, VeillonellaはAIHにおいてIL-1β, IL-8, 分泌型IgAと正の相関, PBCにおいて分泌型IgAと正の相関を認めた. 多変量解析で, 口腔内細菌のVeillonella増加が自己免疫性肝疾患と関連する独立した因子であった
    【結語】自己免疫性肝疾患における口腔内細菌叢と腸内細菌叢は互いに影響し病態に関連している可能性が示唆された.
  • Health-related quality of life in patients with autoimmune hepatitis: A questionnaire survey.
    著者 高橋 敦史
    掲載誌 PLoS One. 2018,13(10):e0204772.
    コメント C型慢性肝炎や原発性胆汁性胆管炎などの慢性肝疾患では、患者の生活の質(QOL)が低下することがいくつか報告されてきました。一方、自己免疫性肝炎(AIH)患者におけるQOLに関する報告が少なく、詳細が明らかになっておりませんでした。本研究では、AIH患者でのQOLを明らかにすることを目的としAIH265名、健常人97名、C型慢性肝炎88名にアンケート調査を行いました。アンケート調査の結果、AIHでは健常人と比べ全般的にQOLが低下しており、C型慢性肝炎とほぼ同等であることが明らかとなりました。さらに、AIHの中で肝硬変であること、併存疾患を有すること、ステロイド治療を受けていることがQOLの低下に関連することがわかりました。AIHではステロイド治療による肝炎活動性のコントロールが原則ですが、QOL低下の背景に配慮した診療も重要であると考えられます。
  • Effects of lifestyle on hepatobiliary enzyme abnormalities following the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident: The Fukushima health management survey
    著者 高橋 敦史
    掲載誌 Medicine (Baltimore). 2018,97(42):e12890.
    コメント 2011年の東日本大震災以降、避難区域を含む13市町村の地域住民の方を対象に県民健康調査とこころと生活習慣の調査が実施されております。これまで我々は県民健康調査の結果から、震災後に肝障害(肝胆道系酵素異常)の割合が増加し、震災後の避難が肝障害のリスクとなることを報告しました。本論文では、健康調査にこころと生活習慣の調査結果を紐づけし、肝障害の要因を明らかにすることを目的としました。肝障害は対象(22,246人)の27.3%で認めました。実際の避難生活の有無別では,避難生活者でその頻度が高く(避難29.5%、非避難25.7%、P <0.001)、男性、中等量以上の飲酒、活動量低下は避難に関わらず肝障害のリスク要因となりました。さらに、非避難者では転職が、避難者では非雇用がそれぞれ肝障害のリスク要因でした。本論文で、震災後の肝障害に様々な要因が影響していることが示されました。
  • Non‐alcoholic fatty liver disease in patients with autoimmune hepatitis
    著者 高橋 敦史
    掲載誌 JGH OPEN 2018,2(2)54-58
    コメント 自己免疫性肝炎(AIH)は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)との鑑別が困難な場合があります。本検討では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を合併したAIHの特徴を明らかにすることを目的とし、本邦のAIH全国調査のサブ解析を行いました。1151名のAIHのうちNAFLD合併は17%でした。AIH単独と比べて、NAFLD合併AIHの特徴として①女性の頻度が低い②高齢③肝酵素上昇が軽度④肝組織で肝線維化が進行し炎症は軽度⑤ステロイド治療が少なくウルソデオキシコール酸の治療が多い⑥治療後も肝酵素が高いことが明らかとなりました。AIHではステロイド治療でNAFLDを合併することもあり、NAFLD合併AIHについてはその特徴を理解した診療が重要と考えられます。
  • A novel occludin-targeting monoclonal antibody prevents hepatitis C virus infection in vitro
    著者 岡井 研
    掲載誌 Oncotarget
    コメント C型肝炎は内服薬で高率に治療可能な時代となりましたが、HCVの感染経路は未だに不明点が多く、ワクチン作製は実現されておりません。本研究ではHCVの感染に必須な宿主側因子であるタイト結合分子のオクルディンに着目し、抗オクルディン抗体を作成することにより安全にHCV感染阻害を実現することができた点で画期的であり、将来的なHCVワクチン作製の第一歩として、またHCV感染メカニズムの解明につながる意義のある研究であると思っています。
  • Serum levels of a cell death biomarker predict the development of cirrhosis-related conditions in primary biliary cholangitis.
    著者 林 学
    掲載誌 Med. Mol. Morphol.
    コメント PBC患者における血清Cytokeratin-18 fragmentの組織学的、臨床的予後へ対するbiomarkerとしての有用性を報告しました。血清CK-18 M65は線維化以外の胆管消失や組織学的stageとの相関がみられ、予後の予測に有用である可能性がありました。
  • Contrast uptake in primary hepatic angiosarcoma on gadolinium-ethoxybenzyl diethylenetriamine pentaacetic acid-enhanced magnetic resonance imaging in the hepatobiliary phase.
    著者 林 学
    掲載誌 World J Hepatol.
    コメント EOBによる造影MRIの肝細胞相でEOBの取り込みが認められた肝血管肉腫について報告しました。肝細胞相の所見は組織学的所見を反映しており、鑑別に有用な知見と考えられました。
  • Association between the Serum Sodium Levels and the Response to Tolvaptan in Liver Cirrhosis Patients with Ascites and Hyponatremia
    著者 林 学
    掲載誌 Intern Med.
    コメント 肝性腹水に対するトルバプタンの有効性と治療後の予後について、血清Na濃度との関連について報告しました。低いNa濃度はトルバプタンによる体重減少に負の影響があり、治療後のNa濃度の変化は予後との関連が認められました。
  • Per-oral endoscopic myotomy for esophageal achalasia in a case of Allgrove syndrome
    著者 中村 純
    掲載誌 Clin J Gastroenterol. 2018 Jan 30. doi: 10.1007/s12328-018-0819-7. [Epub ahead of print]
    コメント AAA症候群は食道アカラシアを合併する常染色体劣性疾患です。このような背景を有する食道アカラシアに対して内視鏡的筋層切開術(POEM)を施行した初の症例報告です。POEMによりアカラシアの主症状である食事のつかえが改善したことで、患者さんに喜んでいただいております。御指導いただいた引地拓人先生、遺伝子検索に関する記載についてご協力、ご助言を賜りました神経内科学講座 小林俊輔先生に深く感謝申し上げます。
  • Endoscopic ultrasound-guided right hepaticoduodenostomy for a patient with Chilaiditi syndrome
    著者 小橋 亮一郎
    掲載誌 Turk J Gastroenterol 2018:29(2),239-240
    コメント Chilaiditi症候群(肝臓と右横隔膜間に消化管が陥入した状態)に合併した肝門部領域胆管癌に対し、超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ術(EUS-BD)を施行した症例です。Chilaiditi症候群により胆管構造が複雑となっており、ERCPやPTBDが施行できない症例でした。右肝内胆管へのEUS-BDは手技的に困難でありましたが、無事に金属ステントを留置しました。筆頭著者の小橋先生は多忙を極める太田西ノ内病院での研修中で原稿を作成してくれました。脱帽です(文責:鈴木)。

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